« 数少ない閲覧者の方へ | トップページ | 犬ヌード(イヌード【英】e-nude) »

鬱病(13) 泥沼の底で…

 昨日(10日)は、うちの奥さんの免許更新をするために、幕張(千葉ロッテマリンズの本拠地、幕張メッセで有名な場所)に2人で行った。自分はすでに今年の春に更新は済んでいたので、免許センターのロビーで携帯電話をいじりながら、奥さんの帰りを待っていた。
 今回の幕張ぶらぶら(デートと言い換えても差し支えないが)は、これまで同様のリハビリ外出を兼ねている。前回の記事(『鬱病(12) 楽観と落胆』参照)にも書いた通り、躁状態気味であったので、おそらくパニックになって喧嘩したり、険悪なムードになることは無いだろうと、それこそ「楽観」していた。

Ebiabo_1  奥さんの免許更新が終わってからは、カルフール幕張に自動車を移動させて、「銀ぶら」ならぬ「幕ぶら」することにした。以前から、サブウェイのアボカドシュリンプサンドを食べたがっていたので、プレナ幕張内に店舗があることを確認して、満を持して注文することにした。(ちなみに、昼食には少し早い11時頃だったので、お客さんはほとんどいなかった。)二人で同じ物を食べるのもなんなので、自分はクリームチーズ&スモークチキンサンドにした。どちらも美味しかったが、以前と比べてサンドイッチのボリュームが増えたようにも思えた。(以前って、もう何年もサブウェイに来てなかったので…)ちなみに、「えびアボカド」であるが、和風ドレッシング(わさび風味?)でサラダ仕立てになっており、味はどちらかと言うとさっぱり系、うちの奥さん曰くチーズを追加トッピングすると、もう少し味わいがあって美味しいのではないか、とのことだった。もちろんそのままでも当然美味しい。チーズ&チキンの方は無難な味。濃厚なクリームチーズが、温められたスモークチキンで半溶け状態になることで、味がまとまっていて美味しいのだが、何かが一味足りなかった。もう少しスパイシーな風味があると、満足感が高まるような気がした。チーズが濃厚なだけに、少しさっぱりとしたドレッシングか、塩コショウをしてもらうのがいいかもしれない。追加のバジルポテトと野菜スープは美味しかった。

 その後は、プレナ幕張に隣接するガーデンウォーク幕張へ移動した。今回はある目的がある。それは最近リラクゼーションのために使っている「お香」を探すことである。一時「お香」やアロマオイルなどが流行した時期があったが、そのときには目もくれなかった。(まして、自分は男子であったし。)いま、まだ正常な思考ができない状態なので、リラックスして心を落ち着かせる、無になる境地に至るには、お香を焚いて静かに横になるのが最近の自分の癒しスタイルなのである。
 ガーデンウォーク幕張から ROOM DECO に移動して、またお香探し。こちらではあまり収穫がなかったので、カルフール幕張に戻って、ハイパーマーケットで買い物をすることになった。こちらでは、夫婦お気に入りの「ひよこ豆(ガルバンゾ)」を大量購入した。香辛料やパン用の小麦粉も探していたのだが、あんまり求めていた品物が見当たらなかった。(こういう場合、意外に近所のスーパーや酒屋さんの方が、商品が専門的だったりする場合もあるようだ。)雑貨用品なども見つつ、家路にと向かった。


 ここまでは、幕張デートってな雰囲気で良いのだが、今回の外出も自分にとっては大きな試練になってしまった…。これまでにも何度かリハビリ外出をしたが、薬の服用で感情を抑えたり、最初から感情剥き出しだったりで、同行している奥さんには大変な迷惑をかけた。どうせ外出するなら楽しいほうがいいに決まっている。それを自分の何気ない表情や言葉で台無しにしてしまったり、妙なハイテンション振りを披露したかと思うと急に素っ気無くなったり、ストレスを上手にコントロールできないからなのだろうか、気分の変化の波が激しかった。
 従来通り、その時の症状を踏まえた投薬をしてもらっているので、今回はそれほどストレスは感じないのではないか?という楽観もあった。実際、ぶらぶらしている間も、自宅に着くまでの車中でも、互いに少し疲れ気味ではあったがムードは悪くなかった。

 だがすでに帰りの車中で、自分の頭(と言うか脳というべきか?)が燃えるように熱いのだ。氷水でもかぶりたいほど「クワァー」っていう感じで熱い。猛烈に。しかし不思議に頭が痛いということではない。確かに頭重感はあったが、とにかく熱いのだ。自宅に到着して、できる範囲で後片付けをした後、2階の自室に戻って休息することにした。横になって耳栓を付け、アイマスク(正確にはハンドタオルを折ったもの)で遮光して眠るのである。誰かに触られたりすることもないし、何も口にいれず、匂いは微かにお香の残り香があるが、それ以外の目に見えるもの、外の音から自分を完全に遮断してしまう。遮断してしまいたくなるのだ。

 耳栓+アイマスクによって、可能な限り脳へ伝わる情報を少なくして、考える要素を減らす。おそらく頭が熱いのは子供の知恵熱みたいなもので、脳の活動が極度に活発になると、オーバーヒートのような状態になり、機能が低下するのであろう。まして、自分はSSRIを含む精神薬を服用しているので、脳内でどのような生化学的変化が起きているのか想像もつかないのだが、おそらく正常な人の脳活動とは多少異なることは間違いないだろう。

 この状態で最初の1時間程度は何度か覚醒するものの、眠ることができる。その後は眠ろうと思っても眠ることができず、意識が朦朧とした状態で『何か』を考えつづけている。外から入ってくる情報が極度に少ないのにもかかわらず、頭の中では訳のわからない「何か」のことを永遠と考えつづけているのである。それが苦しい。苦しくて体が痙攣する。体を掻き毟りたくなる。実際、体を掻き毟ったり、頭を自分の拳で殴ったりグリグリしてみたり、間接を無理に曲げて肉体的苦痛を得ると、多少はそちらに意識が移るのだが、再び「何か」を無限ループで考え続ける。その「何か」が何であるかは覚えていないし、結論が出たのか、そもそも結論を出せるような事柄なのか、まったく思い出すことができない。でも、必死に「何か」を考え続けていたことだけは、はっきりと覚えている。

 感覚が脳に集中して混乱が続く中で、「フゥッ」と楽になる瞬間もある。この時は泥沼の底で静かに横たわっているような、不思議な感覚だ。あまり楽しい感覚ではないが、嫌な感覚でもない。むしろ平穏で居心地がいいような、それでいて圧迫されて窮屈なような、泥に支えられて宙に浮いているような、呼吸さえしているのか意識しない、そんな感覚…。臨死体験に近いのかもしれない。あるいは、母の胎内にいた時の感覚のなのかもしれない。それとも、トランス状態といったら良いのか?うまく説明することができないのだが、そんな感覚だ。しかし、またしばらくすると「何か」を考え始めて、体が痙攣する。これを何度も繰り返した。

 奥さんに起こされて、燃えるような脳(ただし頭痛はない)をこらえながら、普通に食事をして、風呂に入って、お香を嗅いで、タバコを吸ってから早々に布団に入った。ハルシオンを服用しているので、眠り付ければ数時間は完全に目が覚める事はない。が、目を瞑るとまた「何か」を考え出す行為が始まる。「何も考えないようにしよう…」そう思えば思うほど、苦しくなる。それを繰り返し疲れてやがて気を失い、深い眠りに落ちていった。

Gears このブログは、薬の効果が切れたのか、午前3時位にはっきりと覚醒してしまい、昨日の出来事をまとめようと、思うところすべてを書き綴ってみた。自己分析に過ぎないが、今の自分の脳には一時的に情報を置いておく場所(バッファ)が無いか、極端に狭く(=少なく)なっているようだ。『思考』するには、①蓄積された知識・知恵と、②あらゆる事象に関連した問題を、③総合的に判断することによって、④感情や論理を生み出す、作業である、と自分は考えている。Wikipediaでは、以下のように解説されている。

思考(しこう)とは、結論を得ようとする観念の過程。目標に至る筋道方法を探そうと働く精神活動の事を言う。知覚や記憶の働きだけでは不十分な場合に、どのように理解し、又、行動するべきかを考える働きの事を思考と言う。思考は言語によって行われると言われるが、図形的に考える場合のように言語によらない思考も考えられる。帰納的思考、演繹的思考のように分類する場合もある。

 自分の知識・知恵が(すでに、あるいは徐々に)欠損している、とは考えにくい。なぜなら、コンピュータ関連の技術など、特に忘れてしまったという感覚もないし、興味すらある。日常生活にも、知識という観点からみると、別に問題は見当たらない。問題は、『結論を得ようとする観念の過程とその精神活動』という部分にあるのだろう。バッファが少ない現状では、今まで気にもしない程度の情報量すら裁くことができず、脳機能が低下していくことでさらに能率が悪くなる。また、ある程度の処理が可能だった思考結果を出力する(話す、行動する、などの恣意行為)も、低下した脳機能下ではうまく機能することができず、周囲の人々への誤解や混乱を招く結果になる。そして、そのことを判っている自分もいる。これが最もつらいことだ。「鬱なんだ」と理解していても、自分の不甲斐なさ、決断力の弱さに落胆し、自責の念にかられてしまう。自分の存在に疑問が湧いてくる。

Numa_2
だから、今は泥沼の底で眠っていたい。

|

« 数少ない閲覧者の方へ | トップページ | 犬ヌード(イヌード【英】e-nude) »

心と体」カテゴリの記事

コメント

幕張デートありがとう。久しぶりの外出でうれしかったし、お香を探したり、ファーストフードのランチも独身の頃に戻ったような新鮮な感じもあって、楽しい時間でした。私も疲れたけど、あなたはさまざまな心の揺れと共に大変だったんですね。私は購入したお香の香りに癒されながら、昨日一人しんみりした夜を過ごしました。もう少し強い心が欲しいです。

投稿: めぐみ | 2007/07/11 19:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/189978/45907073

この記事へのトラックバック一覧です: 鬱病(13) 泥沼の底で…:

« 数少ない閲覧者の方へ | トップページ | 犬ヌード(イヌード【英】e-nude) »